DNAとRNAの違いはなにか。なぜ生物はDNA,RNAを使い分けたのかを化学的に説明!

えすトピです。今日は生物の設計図であるDNAの話です。
遺伝情報の蓄積を担当するDNAとDNAの複写などの一時的な処理として使われるRNA。
今回はDNAとRNAの違いを生化学的に比較し、RNAの反応性から「なぜ生物は両者を使い分けたのか」を説明していきます。

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DNAとRNAの構造の違いについて

RNA

RNAのモノマー単位はリボヌクレオチド(図1(a))でです。糖がリボースなので2’-OH基があります。RNAの核酸塩基はDNAとは異なり、チミン(T)がメチル基のないウラシル(U)に置き換わっていて(図2)、アデニン(A)、グアニン(G)、シトシン(C)、ウラシル(U)の4種で構成されています。

DNA

DNAのモノマー単位はデオキシリボヌクレオチド(図1(b))です。糖がデオキシリボースなので2’-OH基がありません。DNAの核酸塩基はアデニン(A)、グアニン(G)、シトシン(C)、チミン(T)の4種で構成されています。

RNAの反応性が高い理由

RNAは、リボース2’位が水酸基であること(①)と、チミンではなくメチル基がないウラシルである(②)という2つの点でRNAはDNAと異なっています。この2つの点で異なっているため、RNAはDNAよりも反応性が高くなります。

① 糖が2’-OH基を持つことによるRNAの反応性の増加

ポリマーとしてのRNAとDNAの安定性が大きく異なるのは、2’位の水酸基の存在によります。

RNAは塩基触媒によって加水分解を受け、2’-および3’-ヌクレオチドの混合物を生じます。このときの反応機構は以下の通りです(図3)。

(ⅰ) 塩基触媒によって2’-OH基からプロトンを引き抜かれ、隣接するリン原子を求核攻撃します。

(ⅱ) 3’側で結合していた次のリボヌクレオチドとのリン酸ジエステルが切断されます。これによってRNAの主鎖が切断され、2’,3’-環状リン酸が生じます。

(ⅲ) 生じた2’,3’-環状リン酸の2’位のリン酸ジエステルが加水分解され、2’-または3’-リン酸に加水分解されます。

② RNAの核酸塩基がチミンではなくメチル基が無いウラシルであることによる反応性の増加

ウラシルはシトシンと構造がよく似ていて(図2)、シトシンが脱アミノ化されるとウラシルに置き換わることがあります。遺伝配列にウラシルがあった場合、元々ウラシルだったか、シトシンが脱アミノ化されたものなのか判別することができません。一方チミンでは、ウラシルの2’位にメチル基が付いている構造をしています。メチル基は水素結合に係わるものの他の原子にはほとんど反応しないので安定です。そのため、チミンはウラシルのような問題は起こりません。

よって、DNAでは遺伝情報を維持するために安定であるチミンが用いられます。一方、RNAでは配列の保存性はそれほど重要ではないので、チミンよりエネルギー的に有利であるウラシルが用いられます。ゆえにRNAの反応性は高く、安定性が低くなります。

まとめ:DNA=遺伝情報の蓄積・保存、RNA=一時的な処理

①、②の理由より、RNAはDNAに比べて不安定であり、反応性が高くなります。なので、DNAは情報の蓄積・保存をし、RNAはその情報の一時的な処理を行うために用いられているのです。

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